はかりしれない、自然の力。
東海林建築設計事務所は、
その力を最大限発揮する知恵と技術をもって
家創りに取り組みます。
WOODEN HOUSE
木を活かした木造住宅
木材は構造・環境・ひと・空間へ
たくさんの影響を与えているにもかかわらず、
今まで、木材をイメージで話す事が
多かった様に思います。
ここでは、具体的な効果、特徴を説明いたします。
01調湿性に優れている
木材の表面は無数の小さな穴で構成されています。それが、すまいを快適にする要因でもあります。
そのひとつが調湿です。下表を見て頂くと解ると思いますが、いかに木材に囲まれた空間の湿度が安定するかが良くわかります。
木材の表面は無数の小さな穴で構成されています。それが、すまいを快適にする要因でもあります。
そのひとつが調湿です。
下表を見て頂くと解ると思いますが、いかに木材に囲まれた空間の湿度が安定するかが良くわかります。
戸棚の中の湿度変化
杉や桧の柱をなでてみて下さい。
当然、鉋(カンナ)がかかっていますのでザラザラせず、滑らかで気持ちが良い。
滑らかでも硝子のようなへばりつく感触はない。
これは、道具で木材の表面をいくら平滑にしても、木材の細胞のミクロの凸凹がその感触を生みます。
さらに、手や足からは常に水蒸気が発散されています。
木材は硝子や鉄と違って触れた時に瞬時にその水分を吸収する能力(それを吸湿性といいます。)を持っています。
これは材面でのミクロの「結露」を防止し、さらさらした感じになるわけです。
フローリングは歩いたり飛んだりはねたりする足の動作に対応しなくてはなりません。
もし、床がコンクリートのように硬いものであれば、床との激しい衝撃に体は負けて疲れや怪我を助長します。木材には弾力と粘りがあります。それが人間の衝撃を適度に和らげてくれます。
私が厨房や水廻りの床材にコルクを貼るのは、水に強い材料である事も理由なのですが、この弾力性を生かしてより疲れを軽減したい為でもあります。
(東海林 修ブログより引用)
02耐久性・耐震性
奈良時代に建てられた木造住宅が、現在までに60棟程残っています。
地震大国日本に、ここまで多くの建造物が残っているというのは、木材が結露しにくい性質にも要因があると考えられます。
また、先にも述べた“調湿性能”により、結露の心配も大幅に低減されます。
ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功したのが1903年です。その飛行機のフレームに鉄パイプではなく、木(良質のスプルース)を使ったようです。ボーイング747で有名なボーイング社の創立者のウィリアム・エドワード・ボーイングは彼自身も彼のお父様も材木商だったようです。「木材は鉄より強い」を良く知っていたのでしょうね。
左の表は各材料の引っ張り強さを密度で割った比強度です。圧倒的に木材が強いのがわかりますね。たとえば豆腐を積み上げると25センチから30センチまでのようです。それ以上ですと自重で底から壊れてしまうのです。
それに比べて木材は、繊維方向の圧縮強度を340kgf/㎝3、密度を0.35g/㎝3の杉材で計算すると、実に9714mの柱を創る事が出来るようです。 木材は軽いけれど繊維方向の圧縮強度は極めて強い材料だという事が良く解ると思います。
(東海林 修ブログより引用)
03健康への配慮
森の中に入り、胸いっぱいに空気を吸うとすがすがしい気持ちになります。
それは木が発散する「テルペン類」の油分のにおいです。
それは人間の気道の働きを良くする事がわかっています。
それらの成分を総称して「フィトンチッド」といいます。
フィトンは植物、チッドは生物を殺す能力の意味があります。
木は自身で色々な成分を発散する事で、自身を守る能力があった訳です。
すまいに木材を使用する事は、その能力の一部をお借りする事になります。
04五感に響く、癒し効果
無垢材の豊かな木の香りと、木目の味わい、裸足で歩きたくなるような柔らかい感触は、人の心を穏やかにします。
住まわれる人の心身を自然と穏やかにしてくれる効果は、木に囲まれた家だけにある癒し効果だと思います。
だからこそ、
私たちは木を使う。
玄関を開けた瞬間から木の香りに包まれる喜び。
無垢材が敷かれた床は、素足で歩くと気持ちがいい。
美しい木目は、見る人すべての心を穏やかにする。
木の底力を感じる住まいなのです。
木への取り組み
SOIL WALL
土壁について
私が子供の頃の遊びの定番は「泥んこ遊び」でした。手や足をつっ込んだ時の感触は、この世の物とは思えない宇宙感が味わえます。
ある一線を越え、着ている洋服が泥だらけになって行く姿は、子どもの特権を行使した大人への挑戦だったかもしれません。
壁を練っている左官さんの隣で良く怒られながらその光景を楽しんでいました。
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建築基準法で、土塗り壁は防火構造として認められています。
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土と竹でパネル状になった土壁は、筋交いの入った壁以上の耐力があります。
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木以上に、土にも吸放湿効果がありますので、一年中快適に過ごせます。
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暖められた熱を、室内に利用します。半永久的なのでエコともいえます。
地震の力や風の力などの水平力(横の力)に対抗する為の、壁の硬さを表したもので、数字が大きければ大きい程、より硬いことになります。
少し専門的になりますが数字を挙げてみます。
たとえば壁倍率「1.0」は、1mの壁の長さに対して130㎏程度の水平力に絶ええる硬さを持っています。(内外の壁をつけた場合は200㎏)間口4.5間、奥行き4.0間の、総2階程度の建物の1階には、おおよそ5000㎏の地震力が入る計算に成ります。(基準法どうりの場合)
5000÷200=25。つまり25mの耐力壁が必要になる計算になります。
当然として、壁倍率を高く(1.5倍とか2.0倍とかにです)していけば、長さはそれぞれ1/1.5、1/2.0に成るわけです。
寛ぎの場所に
「土壁」を採用する
全体を土壁にする方法が一般的なのですが、板壁に比べてコストと工期はUPします。
それを抑えるために、混構造もおすすめです。
- すまいの外周を土壁にして、内部間間仕切りを板壁にする。
- すまいで一番時間を費やすL.D.Kや寝室を土壁にし、他を板壁にする。
- 板壁を納戸、押し入れ、物入、食品庫にし、他を土壁にする。
- 構造(耐震性)の理想型は、1階が土壁、2階が板壁かもしれません。
- すまいの外周を土壁にして、内部間間仕切りを板壁にする。
- すまいで一番時間を費やすL.D.Kや寝室を土壁にし、他を板壁にする。
- 板壁を納戸、押し入れ、物入、食品庫にし、他を土壁にする。
- 構造(耐震性)の理想型は、1階が土壁、2階が板壁かもしれません。